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UAE税務と日本からの送金確認ポイントを示した図
税務

UAE/ドバイ税務・送金の確認ポイント

日本居住者向けに、UAE税制・日本側の税務論点(国外財産調書・納税管理人)・送金の一般情報を、公式一次情報の所在付きで整理。助言ではありません。

公開 2026.06.25編集 Dubai Property Times編集部

この記事の要点

国外財産調書
12/31時点で合計5,000万円超の国外財産を持つ居住者は提出が必要
UAEのTIN
UAEはTINを発行しない(OECD/国税庁)
非居住者口座の書類
銀行ごとに異なる(一般論として公式に誘導)

このページは、日本に住む方(および移住予定の方)が、UAE/ドバイに関わる税務・送金で「何を、どこで確認すべきか」を把握するための保存版ハブです。これは一般情報であり、個別の節税助言や適用判断ではありません。ここで整理するのは論点の地図であって、特定の人にとっての結論ではありません。制度は変わり得るため、必ず公式の一次情報と専門家に確認してください。

日本とUAEの間で税務書類、居住証明、本人確認、送金確認が連動する様子を表した図
日本側・UAE側の税務、居住証明、送金審査は別々に確認し、相互の整合を取る

UAE側の税(法人税・VAT・TRC)

UAEには連邦税務局(FTA)が所管する法人税(Corporate Tax)とVATがあり、税務居住証明(TRC, Tax Residency Certificate)の発行制度もあります。個人所得税は一般に課されないとされますが、「税がまったくない」と単純化するのは正確ではありません。事業を営む場合には法人税、モノやサービスの取引にはVATが関係し得るなど、事業や資産の状況によって関わる税は異なります。TRCは租税条約の適用など特定の目的で用いられる書類であり、居住の実態を示す資料として参照される場面があります。なお、法人税やVATの対象・登録の要否は、事業の形態や規模によって扱いが変わるとされます。個人としてUAEに住む場合と、UAEで事業体を設ける場合とでは関係する制度が異なるため、自分がどの立場で関わるのかを整理してから公式情報を読むと、理解が進みやすくなります。制度の対象・要件・手続きはFTAの公式情報で確認するのが基本で、概説だけで自分に当てはめて判断しないことが大切です。

税務居住とTRC

どの国の税務上の居住者に当たるかは、日本側・UAE側それぞれの基準で判断され、租税条約の位置づけも関係します。外務省は日・アラブ首長国連邦租税条約の条文・発効情報を公開しています。TRCは「UAEの税務居住者であること」を示す書類として、条約適用や口座開設の場面で参照されることがあります。ただし、TRCを取得したからといって日本側の居住者判定が自動的に変わるわけではなく、日本とUAEのどちらの居住者と扱われるかは、それぞれの基準と条約の規定に沿って個別に判断されます。居住者判定では、滞在日数や生活の本拠、家族や資産の所在など複数の要素が総合的に見られるのが一般的です。単一の書類や条件だけで結論づけられるものではないため、境界的なケースほど専門家の関与が有効になります。居住者判定は個別性が高い領域のため、一般情報として仕組みを理解したうえで、具体的な判断は専門家に委ねるのが安全です。

日本側で残る確認点(国外財産調書・納税管理人)

日本の居住者にとって重要なのは、UAE側だけで話が完結しない点です。国税庁のFAQでは、12月31日時点で合計5,000万円超の国外財産を持つ居住者(非永住者を除く)は国外財産調書の提出が必要とされています。また、日本に不動産所得などが残る非居住者は、確定申告や納税のために納税管理人を定める必要がある場合があります。さらに高額資産保有者には国外転出時課税(対象資産1億円以上等)の論点もあり、これは上位層向けの注意点として別に扱います。これらは互いに独立した制度であり、一つに該当したからといって他も自動的に該当する(またはしない)わけではありません。それぞれの要件を分けて確認し、自分に関係し得る論点を漏らさないことが大切です。いずれも「海外に移れば日本側は関係なくなる」と単純化できない例で、日本側に残る手続きの有無を出国前に確認しておくことが実務上の起点になります。

UAEはTIN非発行とCRS

UAEはTIN(納税者番号)を発行しないと、OECDが明記しています。国税庁も、UAEは個人・事業体ともにTINが自動付番ではない旨を示しています。これは、金融口座情報の自動交換(CRS)の場面で「TINをどう記載するか」といった実務論点につながります。口座開設や各種届出の書式でTINの記入を求められた際に、UAEの扱いを知らないと戸惑うことがあるため、仕組みをあらかじめ理解しておくと手続きでつまずきにくくなります。実務上は、口座開設や届出の担当者がUAEの扱いを熟知しているとは限らないため、必要に応じて公式資料の該当箇所を示せるようにしておくと、やり取りがスムーズになることがあります。参照する資料には版年の古いものもあるため、いつ時点の情報かに注意し、OECDや国税庁の公式資料で最新の扱いを確認するのが安全です。

送金・銀行口座の一般情報

日本からUAEへの送金や、非居住者の銀行口座開設では、必要書類や確認事項があります。ある銀行の案内では、非居住者口座の必要書類としてパスポート、ビザページ、住所証明、本国の銀行の紹介状、最近の取引明細などが挙げられていますが、必要書類は銀行ごとに異なります。したがって、一般論としては各行の公式ページで最新の必要書類を確認するのが実務的です。送金時には、本人確認・資金源・取引目的の確認を求められることがありますが、これは業者側の制度的義務(AML/KYC)に基づく一般的な運用であり、個別の審査結果を予測するものではありません。書類は早めにそろえ、時間に余裕を持って手続きに臨む姿勢が有効です。

よくある誤解の整理

この分野では、いくつかの単純化した理解が誤解につながりやすい傾向があります。たとえば「UAEに移れば税金は一切かからない」という理解は、法人税・VATや、日本側に残り得る手続きを見落とす原因になります。「TRCを取れば日本の居住者ではなくなる」という理解も、居住者判定の仕組みを踏まえると単純化しすぎです。「TINがないから何も申告しなくてよい」という理解も、CRSや日本側の申告の論点を見落とす可能性があります。こうした誤解は、UAE側と日本側を分けて捉え、それぞれの公式情報にあたることで避けやすくなります。情報を集める際は、発信者が誰か、いつの情報か、公式の根拠にあたっているか、という三点を意識すると、単純化された言説に流されにくくなります。SNSやまとめ記事の断片的な情報だけで判断せず、断定的な言説をうのみにせずに、必ず一次情報で確かめる姿勢が、この分野では特に大切です。

公式一次情報と専門家で確認する

UAE/ドバイの税務・送金は、UAE側の制度(FTA所管の法人税・VAT・TRCなど)と、日本側に残り得る論点(国外財産調書・納税管理人・国外転出時課税など)が交差する領域です。本記事はその全体像と確認先を示す一般情報であり、特定の税負担や手続きの結論を示すものではありません。金額の水準や必要書類に触れた箇所も、最新かどうかは公式で改めて確認する必要があります。実際の判断は、FTAや国税庁などの公式の一次情報にあたり、税理士などの有資格専門家に相談したうえで進めてください。

公式・一次情報の確認先

よくある質問

UAEに移れば税金はかかりませんか?

個人所得税は一般に課されないとされますが、法人税やVATなど他の税があり、日本側の課税関係が残る場合もあります。断定を避け、公式・専門家に確認してください。

日本の申告義務は消えますか?

国外財産調書や、日本に所得が残る場合の申告など、日本側の論点が残ることがあります。個別判断は専門家に確認が必要です。